自治体ビジネスにおける御用聞き営業は反対です!という話

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はじめに

木藤昭久

こんにちは!リクロスの木藤です。

今回は自治体営業における御用聞き営業について書いていきます。

YouTubeのあるショート動画を観ていたら、動画内で以下のように言われていました。

「自治体との仕事 企画書持っていっちゃダメ!」

「行政とか学校は御用聞き営業しかない 一択なの」

営業に正解はないですが、正攻法はあります。

御用聞き営業は自治体ビジネスにおける正攻法とは真逆だと考えていますので、本記事で書いていければと思います。

それでは見ていきましょう!

御用聞き営業とは

まず御用聞き営業とは、相手からの要望(=御用)を受けて初めて動く営業スタイルを指します。

「何か困っていることはありませんか?」と尋ねるところから始まり、基本的には聞かれたこと・頼まれたことに対応するのみ。言い換えれば待ちの姿勢であり、能動的に提案することはない営業となります。

企業の商材によっては古くから存在するスタイルですが、こと自治体営業においてはやめた方がいいと考えています。

なぜ御用聞き営業をすべきでないか

次に、なぜ自治体営業において御用聞き営業をすべきでないか見ていきましょう。

① 御用がない場合が多いから

企業からの営業活動がない場合、職員は上司からの指示を受けて初めて業務が動き出すことが多いです。

担当職員だけで「これが必要だ」「これを導入したい」と判断できるケースは少なく、何かを導入するにも上司の承認や予算の裏付けなどが必要になるんですよね。

担当者ベースでそもそも御用自体が発生していない場合が多いので、企業側が御用を待っているだけでは、営業機会を掴めません。

私も新卒で市役所で働いてましたが、多くの職員が目の前の既存業務で忙しく、年中新しい取り組み(御用)を探しているわけではありません

② 御用がある場合、すでに別の事業者に声をかけているから

もし御用=ニーズがすでに顕在化している場合、事業者に話を聞くのにそこまで時間はかかりません。管理職が「これを検討しよう」と言えば担当者も指示に基づいて動くからです。

この段階になると、声がかかっていない時点でその案件の受注は多少なりとも不利になります。

ところで、自治体職員が能動的に情報収集するとなると、どのように進めるのでしょうか?

コストをかけずに(人件費のみで)情報収集する場合、手を付けやすいのは以下だと考えます。

  • 庁内他部署の取り組みを確認
  • 他自治体(近隣自治体や都道府県内の人口規模が近い自治体など)の公募情報の確認やヒアリング
  • ネット検索

要するに、「他部署や他自治体で実績があると有利」といういつもの話になります。

ではどうすればいいか?

まとめると、自治体職員の方の動きとしては

  • 御用があれば事業者にコンタクトする
  • 御用がなければ事業者にコンタクトしない

というすごくシンプルな話になります。

「御用がなければ事業者にコンタクトしない」と書きましたが、これは「御用がなければ事業者の話を聞かない」というわけではないんですよね。

能動的にコンタクトは取らないが、必要だと感じれば話を聞く。

言ってしまえば当たり前の話ですが、自治体営業において地味に重要なポイントだと感じます。

ですので、積極的に有益な情報とセットでアプローチを重ね、御用が発生した際に声をかけてもらえる関係になれるようにしましょう。

最後に

自治体営業では「御用があるときだけ動く」のではなく、「御用が生まれる前に働きかける(需要を創出する)」「御用が発生した際に声を掛けられる関係性を作る」ことが大事です。

御用を聞くのは誰でもできますので、御用を作ったり、御用が発生した際に頼ってもらえたりする営業活動をしていただければと思います。

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この記事を書いた人

1994年愛知県豊橋市生まれ。東北大学を卒業後、豊橋市役所へ入庁。文化課と中央省庁出向を経験後、リクルートで法人営業に従事。その後、株式会社リクロスを創業し、自治体営業の支援に取り組む。これまでの支援実績は設立1年目の企業から上場企業まで。また、分野は教育・環境・福祉・保育・観光・医療・広報・人材・ふるさと納税・公共施設など。

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