自治体ビジネスで急拡大は諦めていいレベルで難しいという話

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はじめに
木藤昭久こんにちは!リクロスの木藤です。
今回は、自治体ビジネスで急拡大は難しいという話を書いていきます。
事業展開する以上、急拡大できるのであれば急拡大したいと考える企業様もいらっしゃるかと思います。
とは言え、自治体ビジネスでは非常に難しいのが正直なところ。
本記事の内容を押さえたうえで、適切な事業戦略をご検討いただければ幸いです。
「実績が実績を呼ぶ」構造が急拡大を拒む
自治体ビジネスは、どれだけ優れたサービスであっても、参入初期の導入拡大にはどうしても時間がかかります。
その理由として、自治体は導入判断において「低リスク」と「説明責任の果たしやすさ」を重視し、その最大の材料が他自治体の導入実績だからです。
つまり、初期は実績が少ないので選ばれず、選ばれないから実績ができないという構造になりがちです。
逆に言うと、ある程度の実績がついてくると導入が連鎖的に広がりやすくなります。
そこに到達するまでの時間をいかに短縮できるか。それが企業にとって大きな課題になります。
急拡大を見据えた近年見られる手法
急拡大の難しさという課題を突破する手段として、近年では「まずは無料で配布し、その後有償化を狙う」という戦略が見られることが増えてきました。
具体的には、職員向けチャットツールや行政職員向け生成AIサービスです。
これらは住民には見えないツールなので、職員からしても失敗したら解約すればよいという心理が働き、比較的気軽に無料導入されやすいのではと考えています。
完全に企業負担になるので企業体力が求められますし、サービスによっては同じ戦略を取ることはできませんが、急拡大のハードルを大きく下げられるという意味では理にかなったアプローチだといえます。
ただし、もし住民側に利用されるサービスの場合は気軽に始めることもできません。
「便利だったのになぜ辞めたの?」などと言及され対応に追われる可能性があるからです。
行政は一度始めたことを辞めるハードルが非常に高い組織ですので、そのことを念頭に置いておきましょう。
急拡大には国の後押しか民間普及が必要
それでは、自治体ビジネスで急拡大を実現できるサービスはどのような条件を満たしているのでしょうか。
私の見立てでは、次のいずれか、あるいは両方を備えている必要があります。
国が方向性を明確に示していること
国の政策が明確に打ち出されると、それに沿ったサービスの導入が一気に加速しやすいのは間違いないありません。
政策による追い風が吹けば、自治体は説明責任を果たしやすくなり導入のハードルが一段と低くなります。
こうした流れを作り・加速させ・捉えるためにロビーイングなどを積極的に行う企業がいるのも自然な話でしょう。
すでに民間で普及していること
職員向けチャットツールや行政向け生成AIサービスはまさにこのタイプで、民間への浸透により「それなら行政でも導入してみよう」という空気が生まれていきます。
商談やプロポーザルの際に自治体職員が気にするのはあくまで自治体での導入実績ですが、民間で広く使われているという事実はそれだけで「低リスク」と「説明しやすさ」に多少なりともプラスの影響を与え、普及が早くなりやすいでしょう。
急拡大できたとしても売上の天井にぶつかる
ただし、仮に追い風を捉えて急拡大できたとしても、一定の導入自治体数で踊り場に差しかかる傾向があります。
もちろんサービスによるので具体的な数字は参考程度にしていただきたいですが、200~300自治体で天井があるというのが私の印象です。
全国1,700以上の自治体があると聞くとまだ余地があるように思えますが、予算規模や分野などの壁によって普及の天井は案外近くにあります。
例えば、観光に注力するかどうかは観光資源に大きく左右されるでしょうから、その時点で天井が約1,700からグッと落ちるわけです。
自治体ビジネスでスケールするというのは、必ずしも全ての自治体に広がることではありません。
最後に
自治体ビジネスで急拡大は難しいという話を書いてきました。
「国が方向性を明確に示していること」と「すでに民間で普及していること」。これは自治体だけではなく国や民間に働きかけたり流れを掴んだりする必要があるので、実現はもちろん簡単ではありません。
言うは易く行うは難しですが、外部環境を捉えつつ着実に実績を積み上げ、来たるチャンスに備える形で地に足のついた事業展開をする必要があるでしょう。
少しでも参考になれば幸いです。
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