自治体への飛び込み営業はNG?成功する営業手法と注意点を徹底解説

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はじめに

木藤昭久

こんにちは!リクロスの木藤です。

今回は自治体への飛び込み営業について書いていきます。

私自身、市役所職員やリクルート営業を経て現在は自治体営業の支援を行っていますが、自治体営業において「飛び込み営業」が効果的かどうかはよく議論になるテーマです。

本記事では、飛び込み営業のメリット・デメリットに加えて、代替手段や注意点も交えてご紹介します。

それでは見ていきましょう!

飛び込み営業とは

飛び込み営業とは、事前にアポをいただかずに出向いてサービスや商品を提案する営業手法です。

その場で自社商品を提案するので相手のニーズをすぐに汲み取り、スピード感を持って商談に持ち込むことができる点がメリットとして挙げられます。

しかし、イメージのとおり、タイミングによっては迷惑がられ、相手との関係性が悪化してしまう可能性があります。

結論を早い段階でお伝えしますと、自治体への飛び込み営業は基本的には反対です。ただし、長期的な関係構築の一環としての飛び込みはありというスタンスです。

自治体営業における飛び込み営業のデメリット

①移動効率が悪い

当たり前のことですが、市役所や町村役場はその市町村に1つしかありません。

近隣の市町村を1日でまとめて飛び込み営業するにしても、移動効率の悪さは否定できないでしょう。

企業の営業担当部署が売上だけに責任を持ち、出ていくお金はあまり気にしない会社も案外あるのではないでしょうか。

自治体へ飛び込み営業するにしても、電車代やガソリン代など費用対効果を見極めると同時に、移動にかかる時間で他のアクションが取れる場合もあるので時間対効果もしっかり考えて実施する必要があります。

②その場で契約になることは絶対にない

企業や個人宅向けの飛び込み営業は、その場で1名、多くても数名にご納得いただければ成約に繋がります。

一方で自治体は長期の予算編成プロセスがありますし、仮にその年度にすでに予算を確保しているにしても、入札や決裁(稟議)プロセスなどが必ず入ります。

「その場の勢いで契約が決まりました!」といったことは絶対にないので、飛び込み営業のメリットが薄まるでしょう。

個人宅向けの営業では1人の「感情」を動かせば成約に繋がりますが、自治体の予算編成プロセスにおいては、多くの関係者を「論理」で納得させる必要があると認識すべきです。

③リモート(テレアポやオンライン会議)で十分成果が出る

自治体営業においてリモート(テレアポやオンライン会議)でも十分に成果が出ることも、私が飛び込み営業に反対する理由の一つです。

自治体は公平性や透明性確保の観点から多くの情報を公開していますし、架電にて現行サービスの契約期間などをヒアリングした際も、民間企業と比べてあっさり教えてもらえることが多いです。

これまでいろいろな企業様の自治体営業を支援しましたが、自治体へのテレアポで受付ブロックを経験したことはありません。受付ブロックとは電話に出た方が担当者に取りつがないことで、法人向けテレアポの半数以上は受付でブロックされると考えるのが一般的です。

よって、飛び込み営業するくらいであれば、リモートでのアプローチに磨きをかけるのが良いかと思います。

ただし、商談についてはリモートではなく対面は間違いなく有効です。

ご参考までに、私が以前在籍していたリクルート(旅行領域)はコロナ禍が収まったくらいからガッツリ対面営業を継続していますが、ある競合は完全にフルリモートを継続していました。

宿泊施設のお客様からも「あの会社は全く来なくなった」という話を何度も聞いていましたので、(地域特性によるものもあると思いますが)非対面よりかは対面の方が良いことが多いでしょう。

会社の予算とも相談しながら、適切に対面営業を活用してください。

弊社のお客様では、最初から最後までリモートの企業様、2回目以降は対面の企業様、1回目であっても注力地域だと対面の企業様など、いろいろいらっしゃいます。

自治体営業でオンライン会議についても別途記事がありますので、是非ご覧ください。

自治体営業における飛び込み営業のメリット

改めてとなりますが、私は自治体への飛び込み営業は基本的には反対ですが、長期的な関係構築の一環としての飛び込みはありだと考えています。

その理由を見ていきましょう。

①接点回数の確保・印象付け

自治体営業に限らず、接点回数の確保や印象付けの効果を否定する営業経験者はほとんどいないでしょう。単純接触効果という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

子ども部署経験者へのインタビュー記事にも同じようなことを書きましたが、「自治体のルールは独特で機械的」ですが、「自治体の職員は普通の人間」です

飛び込み営業とは異なるかもしれませんが、他の部署に寄ったついでに顔を出す程度であれば、長期的な関係構築に繋がるかと思います。

私が市役所時代に在籍していた文化課では建設関連の事業者様が来ることが多く、「建築課に用があったからついでに文化課に来たよ」という事業者様も複数いました。

そういった場面でのちょっとした進捗報告や情報提供は、自治体職員として非常に助かった覚えがあります。

②資料を渡せば回覧はしてくれることが多い

「役所は回覧文化」と聞いたことがある方も多いと思います。私も元公務員として「間違いない」という認識です。

自治体によって異なるかもしれませんが、私の部署では回覧は課長まで、内容によっては部長までしていました。

資料を渡すだけで一気に成約率が上がるとは思いませんし、サービス資料を見た上司が「このサービスいいじゃん、話を聞いてみようよ」と言い出す可能性はあると思います。

メールでの資料送付だと職員の方の印刷の手間もかかるので、飛び込み営業してそのまま資料配布や、FAXによるアプローチも、手段としては検討してもよいでしょう。

気になるサービスであれば資料をファイリングする自治体も多いはずです。

③座席表(席次表)を確認できる

飛び込み営業すれば課室の席次表があるので、役職や名前を把握できるのがメリットとなります。

これらを知ってアプローチすれば少しプラスになるとは思いますが、そのためだけに移動のお金や時間を使うのは要検討でしょう。

自治体へ飛び込み営業する場合の注意点

もし飛び込み営業するのであれば、以下の点に気を付けてください。

  • 相手の業務を邪魔しない時間帯にする(自治体によるが9時~12時or13時~17時に実施する)
  • 短時間で話せるように目的と内容を事前に整理する
  • 資料を手渡し、後日フォローする形も検討する

飛び込み営業以外に有効な手法

次に、飛び込み営業以外に有効な手法を見ていきましょう。

テレアポ

上述の通り、自治体営業においてテレアポは王道中の王道です。

これまでの自治体営業支援の経験から、自治体へのテレアポによるアポ率は(法人向けの約10倍である)5~10%程度だと考えています。テレアポが上手くいかない場合は、テレアポという手段ではなく、やり方か商材が良くないと自信をもって言えます。

今のやり方で正しいかどうか分からない場合は、是非お問い合わせください。

紹介

自治体営業において紹介は非常に有効な手段です。例えば、すでに取引のある部署から他部署を紹介してもらったり、ある自治体から別の自治体に繋いでもらったりすることで、初回接点のハードルを大きく下げられます。

自治体職員は「前任者からの引き継ぎ情報」や「よく知っている事業者の推薦」などを重視する傾向があり、紹介経由だと打ち合わせ設定の確度が高まります。

紹介を受けるためにも、既存関係者へ丁寧にフォローし、実績・姿勢をしっかりと伝えておきましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. どの部署に行けばいいですか?

A. 自社サービスに関係する部署に直接訪問するか、総合案内で確認してから訪問しましょう。アプローチ先の部署の決め方と連絡先の探し方の記事もご覧ください。

Q. 訪問後はどうすればいいですか?

A. 数日~2週間以内程度を目安に、資料を元にした電話フォローを行うのが効果的です。

最後に

自治体への飛び込み営業について書いてきました。

自治体への飛び込み営業は、基本的には効率面・信頼面から推奨されませんが、関係性構築や資料回覧、場の把握といった目的であれば補助的な手段として活用できます。

リクロスでは自治体営業に特化した営業支援を行っています。興味があれば資料請求や問い合わせください。

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この記事を書いた人

1994年愛知県豊橋市生まれ。東北大学を卒業後、豊橋市役所へ入庁。文化課と中央省庁出向を経験後、リクルートで法人営業に従事。その後、株式会社リクロスを創業し、自治体営業の支援に取り組む。これまでの支援実績は設立1年目の企業から上場企業まで。また、分野は教育・環境・福祉・保育・観光・医療・広報・人材・ふるさと納税・公共施設など。

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