自治体ビジネス界隈における人脈自慢の95%はあてにならないという話

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はじめに

木藤昭久

こんにちは!リクロスの木藤です。

今回は、自治体ビジネス界隈における人脈・ネットワークについて書いていきます。

当社が営業支援会社であることから、よく「繋がりのある自治体はありますか?」と聞かれます。

その際私は、自信を持って「全くないですよ。白地開拓が得意です。」と答えています。

実際のところ営業支援でほとんどの自治体に電話してメールアドレスを入手し、商談も重ね、サービス導入に至った自治体もあるので、人によってはこの状況を「○○市とはコネがありますよ!」と言うかもしれません。

しかし、私個人的にそれは不誠実だと思っているので、詳しく書いていきます。

それでは見ていきましょう!

人脈・ネットワークはあてにならない

私が豊橋市の文化課にいたのでそれを例にします。

仮に私が主担当で、自治体営業するA社と受発注の関係になったとして、今回のテーマに当てはめると、A社が「豊橋市と繋がりあります!だからお任せを!」と言うようなものです。

これは、個人的には「何言ってんだこの会社」と思うのが正直なところです。

豊橋市だけで約100の課室があり、文化課はその1つに過ぎません。

文化課の中にも10人くらいいて、役所は部署だけでなく担当も縦割りなので、他の部署どころか、文化課の他の職員にすら繋がりだけを理由には紹介はできないです。

「繋がりだけを理由に」というのがポイントで、もちろん有益だと思えば繋げます。

ただ、その後の進展には1mmも責任を負いません。外部から不正に見られるリスクを取るくらいなら、A社からの要望があっても、相手の機嫌を損ねないように流してしまいます。

さらに言うと、公務員に限らずほとんどの方はデフォルトが「面倒くさい」「やりたくない」「楽したい」です。薄い繋がりをアピールしたところで何の役にも立たないことが分かるでしょう。

首長や議員へのアプローチ

ちなみにこれは首長や議員でも同じです。彼ら彼女らは立場上相手を無下にできないのでいったんは話を聞いてくれますが、その後の進展には責任を追えないのが正直なところだと思います。

実際に、自治体ビジネスに取り組む企業様から「首長や議員と話す機会をもらえたけど、だからといってあっさり契約に繋がるなんてことはなかった」という声を複数聞いています。

仮に立場を活かして強引な発注・契約まで進めてしまえば、通報されて一発アウトになりますので、自分の立場を脅かしてまで薄い繋がりの企業に便宜を図ることは考えられません。

ただし、トップアプローチ自体は全く否定しません。新規性の高い話も聞いてもらえる、意思決定が早い、大規模な契約に結び付きやすい、競合を排除できる可能性があるなど、メリットは間違いなくあります。

最後に

言うまでもないですが、ビジネスは真っ当にやるのがいちばんです。

「長期的には道徳的な商売がいちばん儲かる」という言葉を聞いたことがありますが、私も同意です。

人脈・ネットワークなど使えるものは使えばいいと思いますが、まずはシンプルに営業活動をやり切る。それがいちばんではないでしょうか。

私自身、会社を経営する立場ですので、日々「ウルトラCはないな」と痛感しています。

本メディアはキラキラしたことは書いていません。言ってしまえば当たり前のことばかり書いています。

ただし、自社の営業活動に落とし込み、徹底的に実行することで成果に繋がると信じていますし、そうすることで本当の意味で自治体や住民も喜ぶと思います。

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この記事を書いた人

1994年愛知県豊橋市生まれ。東北大学を卒業後、豊橋市役所へ入庁。文化課と中央省庁出向を経験後、リクルートで法人営業に従事。その後、株式会社リクロスを創業し、自治体営業の支援に取り組む。これまでの支援実績は設立1年目の企業から上場企業まで。また、分野は教育・環境・福祉・保育・観光・医療・広報・人材・ふるさと納税・公共施設など。

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