入札参加資格とは?初心者向けにわかりやすく解説します!

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はじめに

木藤昭久

こんにちは!リクロスの木藤です。

今回は、自治体ビジネスの出発点ともいえる入札参加資格について書いていきます。

「入札に参加したいのに資格がないと応募できない」「書類が多くてどこから手を付けていいか分からない」といった疑問や不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、全国の自治体に共通する入札参加資格制度の概要から、申請方法、必要書類、注意点までをまとめます。初めて自治体営業にチャレンジする企業様でもスムーズに理解・準備ができるようになれば幸いです。

それでは見ていきましょう!

入札参加資格とは

入札参加資格とは、自治体(都道府県や市区町村)が「この企業には発注しても問題ない」と判断した事業者だけに与えられる入場券のようなものです。

この資格を取得していないと自治体の入札案件(物品購入、役務提供、建設工事など)に原則として参加できないので要注意ですね。

こういった仕組みの整備の背景として以下が挙げられます。

  • 信頼できる企業だけを参加対象とすることで、契約不履行のリスクを抑えるため。
  • あらかじめ資格審査を通しておくことで、自治体側の審査負担を軽減するため。
  • 企業側は資格さえ取ればあらゆる案件に参加資格がある状態になり、営業活動の土台を整えるため。

資格の種類と対象業種

多くの自治体では、以下のような業種区分に応じて資格を分けています。

区分対象内容
物品事務用品、印刷物、PC、備品などの納入
役務(サービス)清掃、システム開発、人材派遣、広告制作など
建設工事建築・土木・設備などの施工工事全般
建設コンサル等測量、設計、補償コンサル、地質調査など

申請時には、自社の事業内容に応じた業種を選択します。一部自治体では「物品と役務を一括で登録」する形式もあります。

全省庁統一資格との違い

国の資格(全省庁統一資格)との違いについて表にまとめました。

項目全省庁統一資格自治体の資格
対象国(各省庁・独立行政法人など)都道府県、市区町村など
有効期間3年(全国共通)2年が多い(自治体ごとに異なる)
申請方法オンライン中心(随時受付あり)オンラインまたは紙(定期受付が主)
適用範囲国案件すべてに有効申請した自治体の案件のみ有効

たとえ全省庁統一資格を持っていても、地方自治体の案件には別途登録が必要です。

このように、国の入札に使える全省庁統一資格と、地方自治体の資格制度は似て非なるものです。自治体ごとに独自の運用ルールがあるため、別途申請が必要である点に注意しましょう。

申請の流れ

実際に入札参加資格を取得するための流れをステップごとに紹介します。

⓪申請前に準備しておきたいこと

申請前に以下の準備ができていると良いです。

  • 会社情報(資本金、営業年数、従業員数など)の整理
  • 取扱品目・サービス内容の分類(自治体ごとの品目コード対応)
  • 実績(民間・官公庁両方)の一覧化
  • 登記や納税証明書類の発行スケジュールの把握
  • 提出書類一式をPDFで保存しておく(次回以降に便利です)

①申請先・受付時期を確認する

入札参加資格は各自治体ごとに申請が必要です。

多くは定期受付(2〜3年ごと)を設けており、スケジュールを逃すとその年度の入札に参加できない可能性があります。

なお、一部自治体では随時受付も実施しており、年度途中でも申請可能です。

②必要書類を準備する

一般的に必要とされる書類は以下のとおりです。発行から3か月以内のものが多いため注意しましょう。

  • 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
  • 納税証明書(法人税、消費税、地方税など)
  • 印鑑証明書
  • 決算書(直近1期または2期)
  • 営業実績報告書
  • 保有資格や許認可証(該当業種のみ)
  • 反社会的勢力でない旨の誓約書

③申請書の作成・提出

各自治体の様式に従って申請書を作成します。

最近はオンライン申請が主流となっており、電子証明書(ICカード)を使った本人確認が必要な自治体もあります。

紙申請の場合は郵送または持参が必要です。

なお、 原則は自治体ごとに別途申請が必要です。一部では共同受付広域連携によって効率化されている地域もあります。

④自治体による審査

提出された書類や情報をもとに自治体が企業の信頼性や実績を審査します。問題がなければ数週間~1か月ほどで資格が付与されます。

⑤資格取得・名簿掲載

審査を通過すると自治体の入札参加資格者名簿に企業名が掲載され、自治体の入札案件に参加可能になります。

審査で見られるポイント

自治体によって審査基準に違いはあるものの、一般的には以下の観点がチェックされます。

  • 経営状況:資本金、純資産、利益、債務状況など
  • 業歴・実績:営業年数、官公庁との取引実績
  • 法令遵守:税の納付状況、社会保険加入状況
  • 許認可:必要な業種許可(建設業許可、測量業登録など)

これらの評価に基づき、等級(ランク)が設定される自治体もあります(A~Dランクなど)。ランクが高いほど、高額案件にも参加できるようになります。

有効期間と更新手続き

多くの自治体では、入札参加資格に有効期限(通常2年)が設定されています。

定期更新時期に合わせて再申請が必要でして、更新忘れは資格の空白期間が生じ、営業機会を失う原因になりますので要注意です。

社内でしっかり管理しておきましょう。

最後に

入札参加資格について書いてきました。

一度やればすぐにイメージは掴めますが、再申請などのタスク管理は自治体ビジネスをやるにあたって外せない部分です。

営業などのコア業務に時間を割けるように定期的に自社の活動を振り返っていただければと思います。

今回もお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

1994年生まれ。東北大学を卒業後、豊橋市役所へ入庁。文化課と中央省庁出向を経験後、リクルートで法人営業に従事。その後、株式会社リクロスを創業し、自治体営業の支援に取り組む。

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