はじめに

こんにちは!リクロスの木藤です。
今回は、自治体営業における展示会出展について書いていきます。
展示会は全国の自治体職員と一度に接点が持てる貴重な営業機会です。対面での提案や製品デモができる場として、導入に向けた一歩を踏み出せるチャンスになります。
一方で、出展にはコストや準備負担もあり、成果が見えづらいという声もあります。
本記事では、自治体営業の実務経験を踏まえ、展示会出展におけるメリット・デメリット・職員の来場傾向などについて解説していきます。
それでは見ていきましょう!
展示会出展のメリット
① 全国の自治体担当者と一度に出会える
展示会には全国から都道府県や市町村の職員が集まります。特に大規模展示会ではDXや防災、観光、環境、子育てなどさまざまな分野の担当者と短時間で接点を持てますので、自治体職員との新たな接点を創出するうえで効率的な場と言えるでしょう。
また、一般職員だけでなく課長職や部長級の来場者も多く、展示会場での対話が後の商談や提案機会に直結するケースも少なくないようです。
②対面ならではの信頼獲得
オンラインやメールだけでは伝わりづらい人柄や熱意が、対面の場では伝わりやすいのは言うまでもありません。自治体営業においては、価格や機能以上に信頼性も重視されるため、展示会での直接のやり取りは営業的にも有効と言えますね。
また、実際のデモや模型、動画などを使った説明によって、自治体職員にサービスの具体的なイメージを持ってもらえる点も強みです。
③自治体側の課題やニーズを把握できる
ブースを訪れた職員との会話を通じて、現場で抱える課題や悩みをヒアリングすることができます。例えば「今年度はこういった施策を検討している」「住民サービスの〇〇の点で困っている」など、リアルな声を聴くことで、今後の営業戦略や提案のヒントになるでしょう。
展示会後の提案内容を磨くためにも、貴重な情報収集の場と言えます。
④認知度・信頼度アップ
展示会という公的な場に出展していること自体が信頼の証になります。
また、他自治体での導入実績などがある場合は、ブース内にポスター掲示するなどして積極的にアピールすると職員の反応もより良くなるでしょう。
⑤他社の出展状況から学べる
展示会には競合他社も参加しているため、他社の展示内容や営業トーク、導入事例の見せ方などをチェックする良い機会にもなります。
マーケット全体の動向をつかむという意味でも、学びの多い場ですね。
展示会出展のデメリット
①準備に時間と労力がかかる
初めての出展ではブース設計や装飾、説明資料の作成、デモの準備、スタッフの配置や教育など、やるべきことが非常に多岐にわたります。
「展示会に出たが何を話せばいいのか分からなかった」「そもそも集客がうまくいかなかった」といったことがないように、事前準備の段階からしっかり計画しましょう。
②成果がすぐには見えにくい
自治体営業はどうしても時間がかかります。その場で発注に至ることはほとんどなく、多くは「持ち帰って検討」「来年度に向けて情報収集」といった対応になりますので、展示会の効果は中長期的な目線で捉える必要があります。
③成果測定が難しい
成果が見えにくいことに加え、成果測定自体の難しさもあります。
展示会のKPIを「名刺獲得数」「アポ獲得数」といった形で定める企業様も多いですが、他の営業活動と相まって成果が出るので、展示会の効果を単独で評価するのはやや難しいでしょう。
自治体職員の来場傾向と関心分野
展示会に来場する自治体職員の関心分野は年々広がっていますが、特に次のような分野に関心が集まっています。
- 自治体DX(窓口改革、文書管理、庁内ネットワーク)
- 防災・危機管理(ハザード情報、避難行動支援)
- 観光・関係人口施策(地域ブランド、移住施策)
- 子育て・福祉支援(ICT活用、情報共有ツール)
- 脱炭素・環境エネルギー(EV充電、太陽光、ゼロカーボン)
職員は1人で訪れる場合もあれば、複数人で来場し役割分担してブースを巡ることもあります。
また、午前中はセミナーを聴講し、午後に展示エリアを回るという動線が一般的なため、来場のピークは13時〜16時頃に集中する傾向があるようです。
最後に
自治体営業における展示会出展について書いてきました。
コストはどうしてもかかりますが、有効活用し切れていない企業様もいらっしゃるかと思いますので、本記事を参考にして活用戦略をご検討いただければと思います。
今回もお読みいただきありがとうございました。