自治体職員に自治体ビジネスのアドバイスを求めると起きがちなこと

自治体ビジネスのことは自治体ビジネス経験者に聞くべき
木藤昭久こんにちは!リクロスの木藤です。
自治体ビジネスに取り組む企業から、「自治体職員の知り合いに相談してみます」「元自治体職員にアドバイスをもらっています」という話を聞くことがあります。
自治体のことは自治体職員に聞くのは自然な考え。
自治体職員に話を聞くこと自体は悪いことではありませんし、自治体の内部事情や業務の実態を知るうえで、自治体職員の意見は大いに参考になります。
しかし、自治体のことを知っていることと、自治体ビジネスのことを知っていることは残念ながら別物。
自治体職員は、自治体の業務を遂行するプロであって、自治体に商品・サービスを届けるプロではありません。
自治体職員のアドバイスを鵜呑みにすると、逆に自治体ビジネスの成功から遠ざかってしまうこともあるので、今回は、自治体職員に自治体ビジネスのアドバイスを求めると起きがちなことを5つ紹介します。
ホワイトペーパー『惑わされてはいけないフレーズ21選』の内容でもありますので、興味がある方はぜひダウンロードしてください。


自治体職員に自治体ビジネスのアドバイスを求めると起きがちなこと
もちろん、自治体職員や元自治体職員のなかにも、自治体ビジネスに精通している人はいるかと思います。
本記事で伝えたいのは、自治体職員の知見を軽視すべきということではなく、相談内容に応じて適切な相手を選ぶべきということです。
というわけで具体的に見ていきましょう。
視点が制度や行政の常識に寄りすぎる
自治体職員に相談すると、法令や制度、行政手続きなどそれらしい話に寄りがちです。
よくあるのは「予算は前年度に組まれるから予算要求前に営業しないといけないよ」「公益性や地域貢献を打ち出した方が良いよ」とかでしょうか。
これらは間違っていないどころか正しいですが、営業観点で捉えなおすと注意が必要なフレーズです。




自治体ビジネスに取り組む民間企業にとって重要なのは、制度などを詳しく理解することそのものではなく、制度を踏まえてどのように事業を成立させるかという点。
プロ野球選手の投手たちは捕手や打者にアドバイスを求めることもありますが、多くコミュニケーションするのは投手コーチでしょうし、合同トレーニングも他の投手とします。
多様な視点の重要性はまったく否定しませんが、取り入れるアドバイスの取捨選択は気を付けましょう。
視点が職員の気持ちに寄りすぎる
自治体職員に営業方法を相談すると、「自治体職員は忙しいので営業電話は迷惑だよ」「突然訪問されても困ります」といったアドバイスを受けることがあります。
もちろんそのように感じる自治体職員は少なくありません。自治体職員に限らず、新規営業を受けて喜ぶのは少数派でしょう。
しかし、自治体職員が営業を受けることを好まないからといって、営業活動そのものが不要になるわけではありません。自治体職員の気持ちを理解したうえで、適切な営業方法を考えましょう。
当然ながら、アウトバウンドをきっかけに新しい商品・サービスを知り、導入を検討する自治体職員もいます。
自治体職員への配慮は必要ですが、配慮することと営業活動を控えることは同義ではありません。



「自社のサービスが役に立つ自信があるなら、案内しない方がむしろ不誠実」という考え方もできますね。
入札情報サービスやマーケティング手法が分からない
私がまさにそうでしたが、市役所で働いていた時は入札情報サービスのことなど全く知らなかったですし、自治体へのマーケティング手法もいくつかしか挙げられなかったはずです。
過去にあるオンラインセミナーに参加した際、ある企業が「どうアポイントをセットすればいいか」と自治体の元課長に聞いたところ、「その地域のイベントに参加して関係性を構築しましょう」と回答されていました。
イベント参加もアプローチ手法の一つと言えますが、その企業のサービスや所在地によっては、わざわざ現地のイベントに参加するのはあまりにも非現実的です。営業対象が全国に散らばっている場合、すべてに訪問するのはリソース観点で容易ではないでしょう。
自治体職員は営業される側であって、営業する側ではありません。
自治体ビジネスで成果を出すためには、自治体の知識だけでなく、マーケティングや営業の知識や感覚も当然ながら必要となります。
重要でない点にこだわってしまう
元自治体職員に相談すると、細かな言葉遣いや資料の表現、行政特有の慣習などについて指摘を受けることがあります(私も気を付けないと指摘してしまうので注意しています…)。
「自治体ではこのような言い方をする」とかですね。
相手に違和感を与えない表現はもちろん大事ですが、それが受注を左右する重要な要素かといえば、必ずしもそうではありません。これは自治体ビジネスに取り組む企業を見ていて確信があります。
企画提案書に対する細かいアドバイスなどは、場合によっては枝葉の取り組みとなり得ます。
自治体ビジネスで成果を出すためには、受注に影響する要素の優先順位を理解しましょう。


例えば、プロポーザルであれば、提案書の細かな表現を修正すること以上に、公示前から自治体の課題を把握し、実績を積み重ねることが重要な場合もあります。
そもそも、行政がプロポーザルを規定通りにフェアに運用したとしても、公示時点で受注可能性の高い事業者はある程度決まっています。
行政の話になった途端、「不正をしているのか」と目を向けられる傾向にありますが、上述の主張は
「センター試験を受ける前の時点で、その学生が受かる大学はある程度決まっている」
「スポーツの大会が始まる時点で、ある程度優勝候補が決まっている」
のと同じことを言っているまでです。


受託を最大の目標と置いたときに、それに繋がらない取り組みはできるだけ削減すべきです。
本来、受託が最大の目標ではなく、受託後に無事デリバリーして地域に貢献するのが最も大事なのですが、これは言うまでもないでしょう。
自分が所属する自治体のことしか分からない
当然ながら、1自治体しか勤務経験がない職員は、自分が所属する自治体の経験をもとにアドバイスすることになります。
しかし、自治体によって組織体制や予算規模、意思決定のプロセスなどは異なります。
例えば、ある自治体職員から「うちの自治体ではこのような営業方法は通用しない」と言われたとしても、必ずしも他の自治体でも同様とは限りません。
特定の自治体での経験を、全国の自治体に共通する常識として捉えてしまうことには注意が必要です。
むしろ、全国の自治体と日常的にやり取りしている民間事業者の方が、自治体間の共通点や相違点を把握していることも珍しくないでしょう。
ちなみにですが、私自身は独立して全国の自治体と接するようになり、自治体は思っていた以上に共通点が多いと感じています。
一自治体の個別事情にとらわれすぎず、全国の自治体に共通する傾向を押さえることが重要ですね。
「元自治体職員がいる」だけで支援会社を選んではいけない
私自身が元市役所の職員なので、自身の首を締めることになりますが、「元自治体職員がいる当社にお任せください!」は支援会社の謳い文句です。
「元自治体職員が在籍しています」「自治体の内部事情に精通しています」といった点はもちろん強みと言えますが、自治体職員としての経験と、自治体ビジネスで成果を出せるかどうかは別物です。
自治体職員として10年間勤務していても、自治体向けの営業活動を経験したことがなければ、当然ながら営業の実務経験はないことになります。
支援会社を選ぶ際には、元自治体職員がいるかどうかではなく、自治体ビジネスの支援実績や、具体的にどのような成果を出してきたのかを確認しましょう。
自治体のことは自治体職員に聞く。自治体ビジネスのことは自治体ビジネス経験者に聞く。当たり前のようで、意外と混同されていることだと思います。肩書や経歴ではなく、経験と実績で判断しましょう。
最後にはなりますが、ぜひホワイトペーパー『惑わされてはいけないフレーズ21選』を無料ダウンロードしてご覧ください。











