BtoGマーケティングで押さえておきたい3つのポイント

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株式会社リクロス 木藤昭久

1994年生まれ。東北大学を卒業後、豊橋市役所へ入庁。「文化のまち」づくり課と出向(経済産業省)を経験した後、株式会社リクルートで法人営業に従事。2023年9月に現在の株式会社リクロスを創業し、市役所・中央省庁・営業の3領域の経験を活かし自治体ビジネスの支援に取り組む。戦略立案からアプローチ、商談、入札・プロポーザルまで一気通貫で支援。著書に『自治体ビジネスの始め方』(秀和システム新社)がある。

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BtoGマーケティングとは

木藤昭久

こんにちは!リクロスの木藤です。

BtoG(Business to Government)マーケティングとは、全国に約1,700ある地方公共団体や中央省庁などの行政機関(Government)を対象としたマーケティング活動を指します。

マーケティングという言葉自体、専門家の中でも定義が異なるものですが、ざっくりと「自治体が抱える課題に対し、民間企業の製品・サービスを提供して解決へ導くための顧客開拓・情報発信プロセス」としましょう。

BtoGがBtoBやBtoCといちばん大きく異なるのは、ターゲットとなる顧客数です。

日本全国を見渡しても、自治体数は約1,700しか存在しません。民間企業の約300万社と比較すると非常に限られた数です。

一見すると複雑に見えるBtoGマーケティングですが、以下のポイントを押さえるだけで再現性の高い取り組みが可能になるでしょう。

BtoGマーケティングで押さえておきたい3つのポイント

自治体ビジネスで成果を出している企業に共通するのは、特殊で魔法のような打ち手に頼らず、基本に忠実であることです。

ことBtoGマーケティングやBtoG営業に限っては、元自治体職員で今は自治体ビジネスを支援する私が見ても、「こんなやり方で成功したのか!」と驚く事例は全くありません。普通のことを普通にやっているだけなので、味気がなくつまらないと感じるほどです。

というわけで、BtoGマーケティングに取り組む際に押さえておきたい3つのポイントを整理します。

①マーケティング手法は非常に限られている

BtoG領域において有効なマーケティング手法は多くありません。理由はシンプルで、実質の市場規模(ターゲット自治体数)が非常に少ないからです。

自治体は約1,700ありますが、自社サービスの金額感や解決する課題感がマッチする自治体は、せいぜい全国で数十〜数百程度なことがほとんどです。

もちろん公式HPの制作保守など(おそらく)全自治体が発注しているサービスもありますが、地域や営業リソースなど諸々の条件によって、自社が受注できるのは上述の数十~数百に収まります。

よって、マーケティングで広く認知を取るよりも、電話や郵送DM、メール・お問い合わせなどでシンプルかつダイレクトに接点を構築する営業活動(アウトバウンド)の方がはるかに手堅く効率的です

数十から数百という数字だけを見るのであれば、実質のターゲットの数は「愛知県立A高校の2年生」くらい明確です。

しかも自治体は住所や電話番号が公開されていますので、「愛知県立A高校の2年生」それぞれの生徒の住所や電話番号が分かっているようなものです。必然的にアプローチ手法が大幅に絞られることが分かるでしょう。

比較軸BtoBマーケティングBtoGマーケティング・営業 
アプローチ対象数場合によっては数万〜数十万社(広大)最大でも約1,700自治体(限定的)、実質数十~数百自治体
有効なアプローチ対象顧客と自社商材によりハマる手法が大きく異なる電話、郵送DM、メール・お問い合わせ等の直接的アプローチ
勝敗を分ける要素対象顧客と自社商材によりマーケティングの勝ち筋も異なる実績や接点の積み重ねによる信頼獲得など

BtoGにおけるマーケティングは、商談や実績を作るための下ごしらえに過ぎません。座学や手法論に時間をかけず、1回でも多く関係職員と会話を重ねる営業活動へ注力することが重要です。

②BtoBの常識に照らし合わせる

次のポイントは、判断に迷ったときほどBtoBの常識に立ち返ることです(BtoBの経験があれば)。

「相手が行政だから特殊な提案をしなければならない」「地域貢献や公益性をアピールしなければ刺さらない」と思い込んでしまう企業様もいるようですが、行政職員も一人の社会人であり、組織としての意思決定プロセス(特に大企業におけるエンタープライズ営業)と本質は変わりません。

BtoG市場において最大の説得材料は「他自治体での導入実績」です。BtoB営業で事例資料や他社導入実績が非常に重要なのと全く同じ理屈です。

なお、実績は有償でなくても・直接契約でなくても問題ない場合が案外多いです(入札やプロポーザルの条件はしっかり見ておきましょう)。実証として無償で提供したものも、再委託先として関わったものも自治体職員としては安心材料になります。行政がやると判断したことや、試そうと判断したこと自体が大事なわけですね。

アプローチ手法は「官(G)と民(B)」で分けるのではなく、「BtoBの王道施策としてこれは自然か?有効か?」というフィルターを通してみることで、迷いや誤った判断の多くは解消されます。当たり前のことを当たり前にやりましょう。そもそも、厳密には、自治体も法人の一種です。

③大掛かりで遠回りなことをしない

これまでの内容を被る部分もありますが、大掛かりで遠回りな施策に資金や時間を投じないようにしましょう。

BtoG参入を狙う企業の中には、「自治体は回覧文化だから」と聞いて高額な紙媒体広告を出したり、会員制の自治体マッチングプラットフォームに数十万円の費用を払ったり、政治家や元職員などのコネクションを頼ろうとしたりする例が散見されます。

拙著でも繰り返し述べましたが、こうした遠回りでトリッキーな手法や大掛かりな仕掛けが成功要因の核になるケースは極めて稀です。

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