【特別インタビューvol.2】BtoBセミナーのプロにポイントを聞きました

木藤昭久こんにちは!リクロスの木藤です。
自治体ビジネスに携わっていると、「BtoGは特殊な市場だ」と言われることがあります。
たしかにBtoBとBtoGでは違う部分もありますが、私は一貫して「世間で思われているほど、BtoBとBtoGは違わない」と考えています。そもそも役所は法人の一種なので、BtoGはBtoBの一種と捉えています。
むしろ、BtoBで昔から行われている王道の営業・マーケティング施策は、BtoGでもそのまま、あるいは少しアレンジすることで使えるのではないか。
そこで今回は、BtoBセミナーの開催支援を行う宮崎さんに、BtoBセミナーの基本について聞いてみました。
私はBtoBセミナーの専門家ではありませんが、だからこそ、BtoBのプロからセオリーを聞きながら、「これをBtoGに当てはめるとどうなるのか?」を考えてみたいと思います。
BtoBセミナーで大切なのは目的・導線・ターゲット
木藤:宮崎さん、今日はよろしくお願いします。早速ですが、BtoBセミナーを開催するときに「これだけは押さえておいた方がいい」というポイントを3つ挙げるとしたら、何でしょうか?
まずは、セミナーの目的を決めることですね。
2つ目が、その後の流れです。セミナーを開催した後に、営業へどうつなげるのか。そこまで含めて導線を決めておくことです。
3つ目は、ターゲットを明確にすることですね。
木藤:良い意味で当たり前で安心しました。マーケティングの本質ですよね。
そうですね(笑)。でも、基本はそこだと思います。
BtoBセミナーの目的は大きく「リード獲得」「営業・商談創出」「顧客への情報提供」などに分けられます。
例えばリード獲得が目的なら、比較的広い層が興味を持つテーマにして、多くの人に参加してもらう。
一方、商談獲得が目的ならターゲットを絞り、セミナー終了後の個別相談まで含めて設計する。
同じ「セミナー」でも、目的によって中身は変わるということです。



これらはBtoGでも全く同じでしょうね。
ターゲットが「自治体職員」では広すぎる
木藤: ターゲットを明確にするときは、具体的にどこまで決めるのでしょうか?
かなり細かく考えますね。
たとえば単に「不動産業界の人」とするのではなく、どういう業務を担当しているのか、会社の売上規模はどれくらいなのか、といったところまでペルソナを設定します。
その人に向けてセミナーページや販促物を作っていくイメージです。
木藤: なるほど。結局、普通のことをちゃんとやり切るということなんでしょうね。
そうですね。特別なことをやるというよりは、基本をしっかりやるという感じです。
木藤:これもBtoGにそのまま当てはまりそうです。「自治体向けセミナーを開催します」だけではターゲット設定として粗すぎるので、例えば
- 都道府県なのか、市区町村なのか
- 人口規模はどれくらいなのか
- どの部署なのか
- 担当者なのか、係長なのか、管理職なのか
- どんな課題を抱えている職員なのか
- すでに類似サービスを導入しているのか
ここまで解像度を上げれば、当然セミナーのタイトルも内容も変わります。BtoBで「企業」と一括りにしないのと同じで、BtoGでも「自治体」と一括りにしないことが大事ですね。
良いセミナーをやれば商談に繋がるとは限らない
セミナーって不思議で、あまりに良いセミナーにしすぎると、その後の個別相談が意外となかったりするんですよ。
木藤:そうなんですね。それはなぜでしょうか?
内容があまりにも良すぎると、「もうやり方が分かった」と思われてしまうんですよね。本当は全部分かっていなかったとしても。
営業を目的としたセミナーの場合、参加者が「もっと詳しく相談したい」と思える余白を残すことも重要だといいます。
これは「情報を出し惜しみする」という意味ではありません。
セミナーの目的が商談創出なのであれば、情報提供だけで完結させず、次の行動まで含めて設計する必要があるということです。
セミナーは無形商材と相性がいい
木藤: そもそも、セミナーと相性が良い会社、悪い会社はありますか?
基本的には無形商材の会社にはおすすめしています。
有形商材なら展示会などで実際の商品を見てもらえますよね。でも、コンサルティングのような無形商材は見せられません。
だから、セミナーでノウハウを見せることで、「この人はちゃんとしているな」と感じてもらう意味があります。
集客・運営に時間とお金がかかるので、一定以上の単価がある商材の方がセミナーとの相性は良いと話します。目安としては50万円以上ですね。
木藤:言われてみればたしかにそうですね。すごく勉強になります。BtoGでも結構セミナーを上手く回している企業を複数観測するので、同じく有効なのは自信を持って言えます。
セミナー集客に裏技はない
木藤:BtoBセミナーではどうやって人を集めるのでしょうか。
既存リストへのメール、DM、Web広告、テレアポなどです。
木藤:これまた普通の施策ですね。書籍でも繰り返し「自治体ビジネスにウルトラCはない」と謳いましたが、やはりBtoBも同じですね。
そうですね。あまり突飛なものはないと思います。ターゲットに合わせて、その人が見るところに出していくという感じですね。



「普通のことを普通にやりきる」のがBtoBでもBtoGでも重要ですね。
セミナーは「たくさん集めれば成功」でもない
ちなみに、あまり参加者を集めすぎても、意外と受注まで決まらないことがあるんですよね。10〜15人くらいの方がクロージング率が高かったりします。
木藤:それは新しい発見でした。テーマが絞られているほど参加者に深く刺さるみたいなイメージですね。
そうですね。30人で1回やるより、10〜15人程度に分けて開催するイメージです。人数が多すぎると参加者の反応を見ながら話しづらいですし、その後のフォローも難しくなります。
BtoBの営業目的のセミナーでは、人数を増やすよりも、少人数にして参加者との距離を縮めた方が商談に繋がりやすいケースがあります。
とは言え、セミナー最大のボトルネックは集客
木藤:セミナーって、ある程度やり方を覚えれば内製できる気もします。企業が外注する場合、どこが一番ボトルネックになるんでしょうか?
結局、一番は集客ですね。何回か開催すれば運営自体は内製できるようになります。でも、集客だけは難しいという会社が多いです。
木藤:他のアプローチ手法のことを思い浮かべると、自治体ビジネスだと集客自体は比較的しやすい気がします。
ただ、多くのサービスは自治体数や自社リソースの制約により、数十~数百自治体しか実質の営業対象がありません。
プロの力を借りて目的などをしっかり整理したセミナー開催も大事そうだなと思いました。
アンケートは満足度調査ではなく営業導線
木藤:そのほか何かポイントはありますか?
アンケート作りはかなり重要です。特に営業目的なら、単純に「満足しましたか?」と聞くだけではなく、その後の個別相談につなげるために設計した方がいいですね。
参加理由や現在の検討状況、個別相談の希望などを聞き、その後の営業に繋がるという形で、営業プロセスの一環として設計すべきです。
木藤:ただ集客して話すだけでなく、細部までこだわりきるのが大事というですね。
YouTubeとセミナーは競合しない
木藤:私は以前から、「わざわざセミナーを開催しなくても、YouTubeに動画を公開すればいいのでは?」とも考えていますが、どのようにお考えでしょうか?
YouTubeもいいと思います。ただ、YouTubeはその後の個別相談などに誘導しづらいところがあります。
ライブのセミナーなら、その場で話を聞いて、そのまま次の判断を求めることができます。
YouTubeよりもセミナーの方が、営業に近い位置にあるイメージですね。
木藤:すごく腹落ちしました。いろいろ教えていただきありがとうございました。
ありがとうございました。
BtoBとBtoGはやはり思っているほど違わない
今回、BtoBセミナーの専門家である宮崎さんに話を聞いて、一番印象に残ったのは「BtoBとBtoGはやっぱり似ている」ということでした。
普通のことを普通にやりきる。目的やターゲットを決め、参加者の行動から逆算して細部まで設計する。
「相手を理解して、適切な情報を届け、接点をつくり、次の行動につなげる」という営業・マーケティングの原理そのものは大きく変わりませんね。



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