プロポーザル五箇条:②公示までに徹底的に差をつけるべし。

この記事を書いた人

株式会社リクロス 木藤昭久

1994年生まれ。東北大学を卒業後、豊橋市役所へ入庁。「文化のまち」づくり課と出向(経済産業省)を経験した後、株式会社リクルートで法人営業に従事。2023年9月に現在の株式会社リクロスを創業し、市役所・中央省庁・営業の3領域の経験を活かし自治体ビジネスの支援に取り組む。戦略立案からアプローチ、商談、入札・プロポーザルまで一気通貫で支援。著書に『自治体ビジネスの始め方』(秀和システム新社)がある。

目次

はじめに

木藤昭久

こんにちは!リクロスの木藤です。

今回はプロポーザルシリーズとして、「プロポーザル五箇条:②公示までに徹底的に差をつけるべし。」について書いていきます。

前回の「プロポーザル五箇条:①公示時点で勝負は8割決まると意識すべし。」とけっこう被る内容ではあるので、併せてご覧いただければと思います。

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プロポーザル五箇条:①公示時点で勝負は8割決まると意識すべし。 自治体プロポーザルは公示後ではなく、公示前の営業活動で勝負の8割が決まります。元市役所職員が、本命企業が生まれる理由や勝率を高める考え方、自治体営業で押さえるべきポイントを実務経験をもとに解説します。

プロポーザル五箇条

改めまして、プロポーザル五箇条は以下のとおりです。ホワイトペーパーから抜粋です。

  • 公示時点で勝負は8割決まると意識すべし。
  • 公示までに徹底的に差をつけるべし。
  • 過去の落札企業の勝因を必ず分析すべし。
  • 敗因を正確に知るのは困難だと心得るべし。
  • 時には参加または落札を諦めるべし。
ホワイトペーパー「プロポーザルの教科書」より抜粋

プロポーザル五箇条①が「公示時点で勝負は8割決まると意識すべし。」なので、それに沿う形で「公示までの頑張りが大事ですよね」という内容となります。詳しく見ていきましょう。

プロポーザル五箇条:②公示までに徹底的に差をつけるべし。

本命の一社は提案を外しにくい

プロポーザルでは公示時点で自治体職員にとっての本命が一社(場合によっては複数社)いて、その企業が仕様書に関与するので、結果として提案を外しにくくなります。

当社でプロポーザルを支援する中で実感していますが、仕様書に対して抜け漏れなく提案することはどの企業もできますし、むしろできなければいけないのですが、「今回の発注ではどの部分がいちばん重要か」「実はそこまで重要じゃないのはどの部分か」などは、事前に職員と会話していないと正確には押さえられません

公示後の質疑応答は案外期待できない

「プロポーザルが公示されたら必ず質疑応答が設けられているから、そこで質問すればいいのでは?」と思われるかもしれませんが、前回の記事にも書いた通り、職員は本命の一社が不利になるアクションはわざわざ取りません。また、質問に対して超具体的に・超長文で回答することはしないので、欲しい回答は意外と得られません。

質疑応答のラリーは1往復しかないので、自治体からの回答を見て「こんなんじゃ分からないよ」「どう提案すればいいんだ」となるのは非常によくあることではないでしょうか。

本命の一社になりやすい条件

改めておさらいすると、本命の一社になりやすいのは、仕様書を作成する段階で何かしらの理由で信頼など得ている企業です。

ホワイトペーパー「プロポーザルの教科書」より抜粋

信頼を得ていれば「この会社にお願いしたら安心だな」と思われ、仕様の相談を受けやすくなります。

自治体ビジネスを支援する仕事柄、いろいろな企業にヒアリングする機会がありますが、信頼を得ている企業が職員から何度も電話やメールで相談を受けることもありますし、企業が仕様書にダイレクトに書き込む事例も全く珍しくありません。企業側から「こんな感じの仕様書でどうでしょう?」と渡すこともよくあります。

例えば自治体の担当者がA社にお願いしたく、A社は自社が受注したいと思っていれば、結果的にA社の意図がバッチリ組み込まれた仕様書になってしまうのは言うまでもありません。

仕様相談を受けていない他社がひっくり返すのは困難

そもそも自治体とA社で微妙なニュアンスも含めすべてを仕様書に落とし込むことは非常に難しいですし、それを他の企業が完璧に解釈して真芯を捉えた企画提案をするのは一層困難です。

また、仮にA社が入り込んだことが分かっても、そこを逆転するのは難易度は高いと言わざるを得ません。

上流(事前営業や応札判断)のミスを下流(プロポーザル)で取り返すのは、多くの分野・サービスにおいて非常に難しい話です。

多くの場合、マーケティングや営業を頑張るしかない

本命の一社になりやすい条件を改めて見ると分かりますが、企業が変数として今すぐいじれるのは「①認知がある」「③強制力がある」のみです。当然ながら、「②実績がある」は単なる過去の積み上げです。

ホワイトペーパー「プロポーザルの教科書」より抜粋

「いやいや、うちは技術で勝ちたいんだ!」という会社もいるかもしれませんが、残念ながら技術だけで勝てたら苦労はしません(BtoGに限らないと思います)。

皆さんもイチ住民として行政関連のサイトやシステムに触れたことがあると思いますが、中には使い勝手が良くなく、お世辞にも「技術で勝った」と言えないものもあるでしょう。

私も元自治体職員なので、マーケティングや営業なんて関係なく単に素晴らしいサービスが自治体に届く世界だと非常に嬉しいですが、理想(良いサービスなら届く)を語る前に現実(良いサービスだからといって届くわけではない)を見なければいけないと思っています。技術力に自信があるなら、ぜひマーケティングや営業でしっかり公示前のプロセスを勝ち抜いてほしいと強く思います。

地場企業と大手企業が強いが、似たような形は創り出せる

プロポーザルは地場企業と大手企業が落札することが多く、地場企業は本社が、大手企業は支社や支店がその地域にあり、すでに認知され、かつ営業の粘着力が強いことが高い勝率の要因だと考えています。

ただし、です。地場企業と大手企業の勝率が高い理由が「『認知』や『接点回数による信頼感の醸成』による仕様相談への繋がりやすさ」だと仮定すると、地場企業と大手企業でなくても同じ状況を疑似的に作り出せることが分かります。

繰り返しとなりますが、BtoGマーケティングや自治体営業での工夫の余地はかなりあると思います。市役所に勤めていた時の感覚では、95%の企業は「予算要求前に1回アプローチするだけ」なので。

適切な記事を紹介したいところですが、自治体ビジネスへの向き合い方については拙著がいちばんしっかりまとめられています。かいつまんで読む形でも構いませんので、ぜひお買い求めください。

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最後に

プロポーザル五箇条の2つ目「②公示までに徹底的に差をつけるべし。」について書きました。

今後も週1本以上を目安に更新していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。

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