【5/25発売・予約受付中】『自治体ビジネスの始め方』(秀和システム新社)の商業出版が決定しました

執筆の背景
これまで本メディアでは、自治体ビジネスや自治体営業をテーマにブログ記事やホワイトパーパーを出してきました。
当社の事業は自治体ビジネスの支援(コンサル・営業代行)でして、そこで得られた知見を発信してきたわけですが、市場の盛り上がりなどを鑑み、出版社様に企画を無事採択していただけた形となります。
出版にあたり多大なるご協力をいただいた秀和システム新社の宮村様、KEYPLAYERS代表の高野秀敏様、中村陽二様へ、この場をお借りして改めて感謝申し上げます。
執筆の背景に関連して、私の個人的な想いは書籍の「はじめに」に込めました。ぜひご一読いただけると幸いです。
はじめに(書籍より抜粋)
本書の目的は、自治体ビジネス参入や自治体営業の定石を示すことで、自治体ビジネスに参入する企業を増やし、自治体営業の水準を向上させ、民間企業・行政・地域住民の三方良しを実現することにあります。
「ビジネスに正解はないと言われるが、正攻法はある」
これは私がお世話になっている事業家・著者の中村陽二氏からうかがった言葉です。自治体ビジネスも同様だと考えており、自治体ビジネスにおける正攻法を本書で示すことができればと思います。
現状、自治体ビジネスという市場を前に、多くの企業が極端な振る舞いに終始しています。ある企業は「行政は特殊だから」と必要以上に疑い、腰が抜けるほどシンプルな解決策があるのに実践しません。また、ある企業は実態のないノウハウを妄信して資金を投じ、成果が出ないまま自治体ビジネスから撤退していきます。
このままでは、志ある企業の力が削がれ、行政の課題は放置され、地域住民が不利益を被るという、三方良しとは真逆の世界が待っています(すでにそうなっているかもしれません)。
私は幸いなことに、たまたまとしか言いようがないのですが、この状況を少しでも解消するための貴重な経験を積むことができました。
東北大学を卒業後、新卒で地元の豊橋市役所(愛知県)に入庁。「文化のまち」づくり課の職員として民間企業から営業を受け、予算要求し、仕様書を作成して発注手続きを行うという「自治体営業の受け手側の経験」を重ねました。その後、経済産業省への出向で国策の視点を学び、リクルートに転職後は民間トップクラスの営業現場で営業力を磨きました。
自治体、中央省庁、そしてリクルートを経て独立起業し、自治体ビジネスを支援。行政の理屈と営業の論理の両方を肌感覚として持ち合わせ、ビジネスとして形にしている人物は執筆時点で日本で私だけだと思います。
創業2年半で20社以上の自治体ビジネスを支援する中で、確信はさらに深まりました。解像度を極限まで高めれば、自治体ビジネスはもっと戦略的に、確実に進められるようになります。
日本の役所機構は、701年の大宝律令にその源流があると言われています。1300年続いてきたこの仕組みは、この先数十年どころか、数百年、数千年と形を変えながらも存続し続けるでしょう。大きなことを言いますが、本書が日本の未来を支え続ける自治体と、そこへ挑む企業とを正しくつなぐ一助になれば、筆者としてこれ以上の喜びはありません。
なお、本書を通じて私が一貫して主張するのは、次の7点です。
① 勉強ばかりせずまずは動く
事前の法律インプットなど一切不要です。自治体の発注プロセスにおいて、行政文書に記載がないことで企業側がミスをしたら自治体側の責任。だからこそ職員は必要なことを抜け漏れがないように記載します。知識を蓄える前に、まずは書いてある通りに動くことから始めましょう。
② 売上の天井を直視する
日本には約1700の自治体しかありません。人口や予算規模は千差万別で、自社商材がマッチする自治体はさらに限られます。事業拡大を想定する場合、BtoBやBtoCに比べ売上の天井は低いので、BtoG(BusinesstoGovernment /企業対政府(行政)取引)のみで事業展開することに固執せず、実績をレバレッジにして他領域へどう展開するかを考える必要性も念頭に置きましょう。
③ 自治体ビジネスは実績が正義
自治体は前例と実績を重視します。どんなに優れたサービスでも、BtoBやBtoCのような爆発的な急拡大は基本的には難しいです。売上はゆるやかに積み上がると想定し、リソースを他事業にも割きながらじっくり取り組む判断も経営としては正解です。
④ 慎重かつカジュアルに参入する
自治体ビジネスはメリットデメリットが明確なので参入は慎重に判断しましょう。ただし、参入すると決めたらまずは入札・プロポーザルへの参加、パートナー企業の活用、インバウンド営業などカジュアルに動き出しましょう。長期戦を見据え、リスクを最小限に抑えながら実績を積み上げることが重要です。
⑤ 参入初期はとにかく実績ファーストで、拡大はBtoBの王道施策で
実績がモノを言う世界だからこそ、初期は無償提供を提案してでも実績を数自治体で作るべきです。ただし、拡大フェーズはテレアポや郵送DM、セミナーなど、BtoBの王道施策をいかに高水準で実行できるかが肝となります。
⑥ 商談や入札・プロポーザル以外で差をつける
予算要求の前だけアプローチし、受注できずに「出来レースだ」と言っていないでしょうか。予算要求前や入札・プロポーザルのときだけ動く新規営業寄りの企業と、合意形成のパートナーとして年中サポートし続ける既存営業寄りの企業がありますが、実質の対象自治体が数十~数百しかない市場において、どちらを選ぶべきかは明白でしょう。
新規営業寄りの活動がしやすい市場ですが、それで成果が出しやすいかどうかは話が別です。
⑦ ウルトラCを期待しない
自治体ビジネス全般にウルトラCはないと割り切り、判断に迷ったときはBtoBの常識に照らし合わせましょう。行政と民間で異なる点はもちろんありますが、ビジネスパーソンとして誠実に振る舞う前提であれば、その差異はあってないようなものです。
最後に、本書で想定している読者は、主に次の条件に当てはまる方々です。
・ 「建設工事」ではなく「物品・役務」を扱う企業(ITシステム、各種コンサルティング、イベント企画運営など)
・価格だけではなく企画提案内容(プロポーザルなど)で勝負する企業
・地元密着型ではなくスケール(広域展開)を目指す企業
・BtoBやBtoCでの実績や手法を武器にBtoGへ参入・拡大したい企業
もちろん、これらに該当しない企業であっても、自治体の力学や意思決定のプロセスなど、実戦で活用できる内容を多く盛り込んでいます。自社の事業領域に合わせて、適宜読み替えてください。
また、公共分野は思い入れが強い方もいらっしゃるかと思います(私もその一人です)。この分野における「営業」や「商談」、「受注」などの言葉に抵抗がある方もいるとわかった上で、BtoBが主軸の企業の皆様が読みやすいようにあえてそれらの言葉を使わせていただきます。どうぞご容赦いただければ幸いです。
2026年3月 木藤 昭久
予約購入(5/25発売)

発売日:2026年5月25日










