プロポーザル方式とは?入札と違う「提案で選ばれる」契約の仕組みと応募の流れ

プロポーザル方式とは、価格の安さではなく、提出された企画提案の中身を審査して、業務に最も適した相手を選ぶ契約方式です。
入札が金額で落札者を決めるのに対し、プロポーザル方式は提案の質で受託者を特定します。国の運用ガイドラインでは、技術提案に配点全体の50%以上を割り当てる扱いが示されています。自治体の案件に提案で参入したい企業に向けて、当社が、仕組みと応募の流れ、そして応募前に見るべき点を整理します。
自治体営業やプロポーザル対応の進め方を体系的に知りたい方へ。自治体営業の基本をまとめた資料をご用意しています。

プロポーザル方式とは、提案内容を審査して相手を特定する契約方式
プロポーザル方式は、発注者である自治体が、企業から提出された企画提案書を審査し、業務に最も適した相手を「特定」する契約方式です。
選ばれた企業は受託者の候補となり、その後の契約手続きに進みます。価格だけで優劣を決めないため、業務の進め方やアイデアそのものを問われる点が特徴です。
自治体がこの方式を選ぶのは、業務の性質上、仕様をあらかじめ固めにくい場合があるためです。たとえば計画策定やシステム構築、広報・デザインのように、どう進めるかで成果が大きく変わる業務では、提案を踏まえて仕様をつくるほうが良い結果になりやすくなります。
そうした業務で、提案力のある相手を見極める手段がプロポーザル方式です。
価格で決める入札と、提案で決めるプロポーザルは目的が違う
入札とプロポーザル方式は、相手の選び方の前提が異なります。
入札は原則として価格の競争で、プロポーザル方式は提案内容の審査です。応募する企業にとっては、求められる準備も、勝ち筋も変わります。まず両者の立ち位置を押さえると、応募判断がしやすくなります。
- 入札:価格競争で落札者を決める方式
- プロポーザル方式:企画提案を審査して受託者を特定する方式
- 中間的な方式:価格と技術の両方を点数化する総合評価落札方式もある
入札とプロポーザルの違いの詳しい比較は、当社の別記事「入札とプロポーザルの違い」でも整理しています。
プロポーザル方式が随意契約に分類される理由
プロポーザル方式は、法律上は随意契約の一類型にあたります。随意契約は、価格の競争入札になじまない業務について、発注者が相手を選んで契約する方法です。
プロポーザル方式では、受託者を特定したあと、その提案の見積価格の範囲内で見積書を取り、随意契約として契約を結びます。価格競争ではないぶん、提案の説得力が結果を左右します。
総合評価落札方式・コンペとの線引き
似た仕組みに、総合評価落札方式とコンペがあります。総合評価落札方式は入札の一種で、価格点と技術点を合算して落札者を決めます。コンペは、具体的な成果物(設計案など)そのものを選ぶ方法です。
プロポーザル方式は成果物ではなく、業務を任せる「相手」を選ぶ点でコンペと異なります。案件がどの方式かで提出物も評価軸も変わるため、公告の冒頭で方式名を確かめると安全です。
公募型と指名型で、応募できる企業の入口が変わる
プロポーザル方式には、応募の入口が2通りあります。公募型と指名型です。自治体のガイドラインでは原則を公募型とし、相手が限られる場合に指名型をとる運用が示されています。どちらの入口かで、参加できるかどうかの判断が変わります。
- 公募型:広く公募し、参加資格を満たせば応募できる
- 指名型:自治体が適当と認めた企業だけが提案に進める
公募型は資格要件を満たせば参加できる
公募型は、案件が広く公表され、参加資格要件を満たす企業が応募できる入口です。まず参加表明や参加資格の確認を経て、資格が認められた企業が提案書の提出に進みます。
新しく自治体案件に挑戦する企業にとっては、入りやすい入口です。公告と募集要項で、業種登録や指名停止の有無などの条件を確認してから準備に入ります。
指名型は自治体に選ばれた企業が参加する
指名型は、参加できる企業の範囲が明らかに限られる場合に、自治体が適当と認めた相手を指名する入口です。限られた期間で確実に相手を決めたいときに使われます。
指名型では、指名の通知が届いてから参加の意思を伝え、提案に進みます。通知が来ていない企業は参加できないため、日ごろから自治体との関係づくりや実績の提示が入口を広げます。
提案の採点は、評価配点から逆算して読み解く
提案がどう採点されるかを知ると、提案書の力の入れどころが見えてきます。審査では複数の観点が点数化され、合計点で順位が決まります。
配点の重みを先に把握し、そこから逆算して提案を組み立てると、審査で評価されやすくなります。
- 評価の仕組み:審査委員会が複数の観点を点数化して順位をつける
- 技術重視:技術提案の比重が高く、国の基準では配点の半分以上を占める
審査委員会が見る3つの観点
審査は、自治体が設ける審査委員会が担います。たとえば帯広市のガイドラインでは、委員を5名以上で構成する運用が示されています。評価の観点は、おもに次の3つに分かれます。
- 提案者に関する項目:実績・体制・技術者など
- 提案書・ヒアリングに関する項目:提案内容・理解度・取り組み姿勢
- 見積価格に関する項目:コストの妥当性
3つのうち、提案内容と体制が大きな比重を占めます。価格は要素の一つであり、安さだけでは順位が決まりません。
技術提案に配点の半分以上が置かれる
評価の重心は技術提案にあります。国土交通省の運用ガイドラインでは、特定の段階で技術提案(実施方針や評価テーマ)に配点全体の50%以上を割り当てる扱いが示されています。価格と技術の両方を点数化する総合評価落札方式でも、価格点と技術点の比率は標準で1対2または1対3と、技術を重く見る設計です。提案の中身で差がつく前提で準備すると、評価に届きやすくなります。
〔出典:国土交通省「建設コンサルタント業務等におけるプロポーザル方式及び総合評価落札方式の運用ガイドライン」〕
当社の自治体営業に特化した営業資料づくりの支援では、プログラム開発などを手がける情報通信業の企業(従業員121名)で、資料構成の見直しとデザインの刷新を行い、社内から「分かりやすくなった」と高い評価をいただきました。提案の伝わりやすさは、プロポーザルの評価にも直結します。
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評価基準から逆算した提案の組み立て方を、実務資料で確認できます。

参加表明から契約までは段階ごとに分かれている
プロポーザル方式は、応募から契約までが段階に分かれています。各段階で提出物と締め切りが決まっているため、順番を取り違えると失格につながります。
全体の流れを先に押さえ、どの段階で何を出すかを整理しておくと準備が進めやすくなります。
- 参加表明と資格審査:応募の入口に立つ段階
- 提案書とヒアリング:評価を受ける段階
- 特定・契約:相手に選ばれたあとの段階
参加表明と資格審査で入口に立つ
最初の段階は、参加表明と資格審査です。公募型では、参加表明書を出し、参加資格の確認を受けてから提案に進みます。募集要項には質疑応答の受付期間も定められています。
たとえば帯広市のガイドラインでは、提案書の提出期限を通知送付から20日以上とる運用が示されています。提出先と様式を取り違えないよう、書類ごとの宛先を確認します。
〔出典:帯広市「プロポーザル方式の実施に関するガイドライン」〕
提案書とヒアリングで評価を受ける
次の段階が、提案書の提出とヒアリングです。ヒアリングは、提出済みの提案書にもとづいて説明する場で、別の資料を持ち込めない運用が一般的です。選定される提案者の数にも目安があり、国土交通省のガイドラインでは、技術提案書の提出を求める相手を原則3〜5者程度に絞る扱いが示されています。
提案書とヒアリングは同じ評価基準で見られるため、口頭説明も基準に沿わせます。
〔出典:国土交通省「建設コンサルタント業務等におけるプロポーザル方式及び総合評価落札方式の運用ガイドライン」〕
特定されても契約交渉が残り、不採択なら説明を求められる
最後の段階は、特定と契約です。提案が選ばれても、その場で契約が成立するわけではなく、予定価格の範囲内で見積りを取り、随意契約として結びます。
選ばれなかった場合も、結果は通知され、理由の説明を求められます。たとえば帯広市のガイドラインでは、特定されなかった提案者は通知の翌日から7日以内に書面で説明を求められ、7日以内に回答を受けられる運用が示されています。落選時の学びを次の案件に生かせます。
〔出典:帯広市「プロポーザル方式の実施に関するガイドライン」〕
応募するか迷ったとき、企業が先に確認すべきこと
案件を見つけても、すべてに応募する必要はありません。提案書の作成には時間と費用がかかるため、応募前に条件を確かめ、勝ち筋のある案件を選ぶ判断が欠かせません。見るべき点を2つに絞って確認します。
- 費用:提案書の作成費が補償されるかを募集要項で確かめる
- 適合:評価基準と自社の強みが噛み合う案件を選ぶ
提案費用が補償されるかを募集要項で確かめる
提案書の作成費用は、多くの案件で企業の負担です。採択されなくても提案書は原則として返却されず、作成にかけた費用は戻りません。応募を決める前に、募集要項で費用負担の扱いを一か所は必ず確かめます。
費用と手間に見合う案件かを見極めることが、限られた営業リソースを守る判断になります。
評価基準と自社の強みが噛み合う案件を選ぶ
次に見るのは、評価基準と自社の強みの相性です。配点の重い項目に自社の実績や体制が合致していれば、提案は評価に届きやすくなります。逆に、求められる実績が自社にない案件は、提案の労力に対して順位が伸びにくくなります。
公告の評価項目と配点を読み、強みが生きる案件を選ぶことが、採択への近道です。
よくある質問
Q1. プロポーザル方式とは何ですか。
提出された企画提案を審査し、業務に最も適した相手を特定する契約方式です。価格で決める入札と異なり、提案内容を評価します。国の運用ガイドラインでは、技術提案に配点全体の50%以上を割り当てる扱いが示されています。
Q2. プロポーザル方式と入札はどう違いますか。
入札は価格で落札者を決め、プロポーザル方式は提案内容で受託者を特定します。プロポーザル方式は随意契約の一類型で、企画の優劣が成果を左右する業務に向きます。価格は評価の3要素のうちの1つにとどまります。
Q3. 公募型と指名型の違いは何ですか。
公募型は広く公募し、参加資格を満たす企業が応募できます。指名型は、参加できる企業の範囲が限られる場合に、自治体が適当と認めた相手を指名します。自治体のガイドラインでは、原則を公募型とする運用が示されています。
Q4. 提案はどのように採点されますか。
審査委員会が3つの観点で点数化します。提案者の実績・体制、提案内容・理解度、見積価格の3つです。たとえば帯広市のガイドラインでは、委員を5名以上で構成する運用が示されています。
Q5. 提案書の作成費用は補償されますか。
多くの案件では補償されません。採択されなくても提案書は原則として返却されず、作成費は企業の負担が通常です。応募前に、募集要項で費用負担の扱いを1か所は確かめてください。
Q6. 不採択になった理由は確認できますか。
確認できます。審査結果は全提案者に通知され、選ばれなかった企業は説明を求められます。たとえば帯広市のガイドラインでは、通知の翌日から7日以内に書面で請求でき、7日以内に回答を受けられる運用が示されています。
Q7. 何者くらいが提案を求められますか。
国土交通省のガイドラインでは、技術提案書の提出を求める相手を原則3〜5者程度に絞る扱いが示されています。公募型では一次の資格審査で絞り込み、選ばれた企業が提案書とヒアリングに進みます。
まとめ:評価基準を読み解いてから提案するかを決める
プロポーザル方式は、価格ではなく提案の中身で相手を選ぶ契約方式で、法律上は随意契約の一類型です。応募の入口には公募型と指名型があり、審査では技術提案の比重が高く置かれます。提案書の作成費用は多くの案件で企業負担のため、応募前に費用の扱いと評価基準を確かめ、強みが生きる案件を選ぶ判断が成果を分けます。
契約方式や公募条件は自治体・案件ごとに異なるため、実際の手続きは各自治体の最新の公告・募集要項等をご確認ください。
当社の自治体ビジネス参入支援では、ソフトウェア事業承継のプラットフォームを運営する企業(従業員52名)で、依頼から2週間でKPIを達成し、商談数が導入前の3倍になりました。初めての自治体案件でも、進め方を整えれば成果につながります。
関連記事: https://www.lg-sales-plus.com/case/
応募すべき案件の見極めから、評価基準に沿った提案づくりまで、当社がご一緒します。自社だけで判断に迷う前に、案件の状況をお聞かせください。










