自治体ビジネスは新規営業から既存営業への早期の移行がカギ

はじめに
木藤昭久こんにちは!リクロスの木藤です。
当サイトのリニューアルや書籍『自治体ビジネスの始め方』の執筆により、更新が約3か月ぶりとなりました。
執筆を通じて多くの学びがあり、書きたいことも溜まってきたので、今後も記事を書いていきます。よろしくお願いいたします。
(書籍用に文章をある程度修正する必要があったので、自由に書けるブログ記事は本当に楽ですね…)
今回は、自治体ビジネスは新規営業から既存営業への早期の移行がポイントだという内容です。
厳密には新規営業「寄り」と既存営業「寄り」と書くべきですが、具体的には以下を想定しています。
- 新規営業寄りの営業:予算要求前のみのアプローチ、入札やプロポーザルのみの参加
- 既存営業寄りの営業:自治体と年中何かしらの接点を持ち続ける営業
こちらを元に考えを書いていきますので、ぜひご覧ください。
既存営業寄りの営業が大事である理由
なぜ既存営業寄りの営業が大事か、順を追って説明します。
職員は信頼している企業に受注してほしい
言うまでもありませんが、職員は信頼している企業に受注してほしいと考えます。
行政は公平性や透明性が大原則なので、制度上は条件さえ満たせばどの企業でも参加できるのですが、やはり現場すら見ていない事業者が価格だけで受注するのは不安なわけです。
発注の際は仕様書が必要ですし、仕様書の内容によってある程度成果物の方向性が見えるので、信頼している企業に仕様書の確認を依頼することが多いです。
特定の企業が関与することで他社を完全に排除してしまっては独占禁止法などに引っかかってしまいますが、そうならない(と説明できる)範囲でなんとか最善を尽くす形です。
どの自治体も発注の予定価格(上限金額)を決める際には、基本的には複数社の見積書が必要です。準備期間など諸々踏まえ、結果的に、公示時点で仕様書に関与した企業がいちばん有利で、次点で見積書を提出した(&仕様書に関与していない)企業が2,3番目に有利となります。
言い換えると、入札情報サービスで見つけた案件に(仕様書や見積書など事前の関与無しに)いきなり参加する際は、その時点で3~5番目からのスタートとなるわけです。
肌感覚ですが、仕様書や見積書など事前に関与した企業のどこかが受注する確率は60~90%くらいではないでしょうか。
書籍にも書きましたが、これが「参加できる案件と勝てる案件は別」と主張する理由です。
信頼は有効な接点回数と相関がある
では、なぜ自治体職員はある企業に仕様書の確認を依頼するのか?
それはシンプルにミスをしたくないからであり、最大限の成果物を期待しているからです。
その状況でどういった会社に確認を依頼するかというと、信頼している会社です。
心理学の単純接触効果(ザイオンス効果)は有名ですが、営業経験者であればほぼ全員が「重要だ」と納得するでしょう。
そもそも、自治体数が約1,700あるとはいえ、自治体の予算規模(≒人口規模)や企業のリソース(営業やデリバリー)の制約から、自社サービスの実質の対象自治体数は数十~数百程度しかありません。対象自治体がそれだけしかないにも関わらず、新規営業的な動きを毎回取る必要は全くないわけです。
自治体ビジネスでは既存営業的な体制を取り、自治体と年中何かしら有益な接点を重ねることが非常に重要です(「既存営業」は厳密にはすでに取引実績のある組織への営業のことです)。
これがタイトルにあるとおり「自治体ビジネスは新規営業から既存営業への早期の移行がポイント」である理由です。
有効な接点回数を重ねるには連絡先が必要
接点回数を重ねるには、当然ながら連絡先が必要です。
代表電話番号であればどの自治体のホームページにも載っています。電話でアポ打診なり資料送付打診なりしてメールアドレスをもらい、有益な情報提供を重ねるようにしましょう。
毎回売り込みをする必要は全くなく、とにかく自治体職員に貢献するつもりで日々の業務や意思決定をサポートしてあげてください。
行政事務は抜け漏れがあっては致命的な仕事なので、メールに直接反応がなくとも、案外見られている印象です。


自治体ビジネスにおいて地場企業と大手企業が有利な理由
これまで書いてきた通り、自治体ビジネスは既存営業的な体制を取る企業が有利となります。
「自治体ビジネスは」と書きましたが、どのビジネスも、新規営業と既存営業であれば99%後者の方が有利ち違いありません。
過去に「結果を出しやすい企業3パターン」として、2つは地場企業と大手企業を挙げました。
地場企業と大手企業が有利な理由は、地場企業であれば本社が、大手企業であれば支社や支店がその地域にあり、既存営業的な体制を取っているからでは?というのが私の仮説です(もちろん地元企業だと加点されたり、入札参加資格のランクである程度参加企業が絞られたりといったことはありますが、それは置いておいてです)。
ここでのポイントは、地場企業や大手企業でなくとも、連絡先を入手し時間をかけて信頼関係を構築することで、既存営業的な効果が得らえるという点です。
自治体ビジネスは予算要求前のアプローチや入札・プロポーザルのいきなり参加など、新規営業的な動きがしやすい市場ですが、それで成果が出やすいかどうかは話が別ということを覚えておきましょう。











