中央省庁の予算編成スケジュール|概算要求から成立までの流れと営業の動き方

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1994年生まれ。東北大学を卒業後、豊橋市役所へ入庁。「文化のまち」づくり課と出向(経済産業省)を経験した後、株式会社リクルートで法人営業に従事。2023年9月に現在の株式会社リクロスを創業し、市役所・中央省庁・営業の3領域の経験を活かし自治体ビジネスの支援に取り組む。戦略立案からアプローチ、商談、入札・プロポーザルまで一気通貫で支援。著書に『自治体ビジネスの始め方』(秀和システム新社)がある。

国の予算は毎年ほぼ決まった流れで編成され、6月の骨太の方針から翌年4月の成立まで、約10か月をかけて進みます。流れを先読みできれば、自治体向けの提案時期を前もって準備できます。

各省庁が翌年度の要求を固める夏、政府案が決まる年末、予算が成立する春と、動きの節目は年に4回あります。令和8年度予算は2026年4月7日に成立しました。当社では自治体営業の支援を通じて、予算サイクルに合わせた提案づくりを続けてきました。

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目次

国の予算は毎年どのように決まっていくのか

国の予算編成には、決まった役割分担と時間軸があります。全体像をつかむと、どの時期にどの情報が表に出るかが読めるようになります。

  • 予算づくりの主役は財務省・各省庁・国会の三者で、それぞれ役割が違う
  • 国の予算の動きは、半年から1年先の自治体案件を左右する

予算編成に関わるのは財務省・各省庁・国会の三者

予算づくりは三者で進みます。各省庁が翌年度に必要な予算を見積もって要求し、財務省が全体の整合と財源を見て査定し、国会が政府案を審議して成立させます。

要求の出発点は各省庁で、金額の絞り込みを担うのが財務省の主計局です。最終的な決定権は国会がもち、予算は国会の議決で成立します。三者のどこで何が決まるかをおさえると、営業先となる省庁や自治体が、いつ動ける状態になるかを逆算できます。

国の予算の動きが自治体営業の半年先を決める理由

国の予算は、自治体の事業の原資になります。国が計上した交付金や補助金が自治体へ配分され、自治体の事業予算として形を変えるためです。

国の予算で重点分野が決まると、半年から1年の時間差で自治体の発注につながります。たとえば国がデジタル化の予算を厚くすれば、自治体のシステム関連の案件が増える流れが生まれます。

営業側は、国の概算要求が出そろう秋までに重点テーマをつかんでおくと、自治体の予算要求期に合わせた提案を準備できます。国の動きを早めに読むほど、自治体への提案の精度を高められます。

概算要求から予算成立までを時系列で追う

予算編成は、春の検討開始から翌年春の成立まで、節目をたどると流れが見えてきます。令和8年度予算の実際の日程を例に、時期ごとの動きを整理します。

  • 6〜7月:骨太の方針と概算要求基準で予算全体の枠が決まる
  • 8〜9月:各省庁が概算要求を提出し、重点分野が表に出る
  • 9〜12月:財務省の査定で要求が絞り込まれる
  • 12月から翌4月:政府案の閣議決定を経て予算が成立する

6〜7月、骨太の方針と概算要求基準で全体の枠が決まる

予算の方向性は、夏の前半に固まります。6月ごろに政府が経済財政運営の基本方針となる骨太の方針を閣議決定し、重点を置く政策を示します。

続いて7月末ごろ、各省庁が要求できる金額の上限やルールを定める概算要求基準が閣議了解されます。令和9年度予算の概算要求の基本的な方針は、2026年7月30日に閣議了解されました。

基準には、要求上限とは別に重点政策へ配分する枠が設けられる年もあります。夏前半の2つの文書を読むと、年度全体でどの分野に予算が向かうかの見取り図を早い段階でつかめます。

8〜9月、各省庁が概算要求を提出し重点分野が見える

各省庁の要求は、夏の終わりに出そろいます。概算要求の提出期限は原則8月末で、総額は9月上旬に公表されます。令和8年度予算では、2025年9月3日に各省庁の概算要求がまとまり、一般会計の要求・要望額の総額は122兆4,454億円でした。

年によって選挙の日程などで、数日から数週間ずれる場合もあります。省庁別の要求額や新規事業を見ると、翌年度に力を入れる分野がはっきりします。営業側にとっては、提案先の省庁や関連する自治体施策の方向性を、半年以上先回りして把握できる時期にあたります。

9〜12月、財務省の査定で要求が絞り込まれる

秋から年末にかけて、要求は実際の予算へ絞り込まれます。財務省の主計局が各省庁の要求内容を査定し、金額や事業の中身を調整します。

省庁と財務省のあいだで折衝が重ねられ、優先度の低い事業は見直されます。要求がそのまま通るわけではないため、概算要求の段階で見えた分野が、最終的に縮小する場合もあります。

営業側は、要求時点の重点分野を追いつつ、年末の政府案で金額が確定するまでは見込みとして扱うと、提案の確度を見誤りにくくなります。査定の動きは表に出にくいため、年末の閣議決定を一つの確定点として押さえておきます。

12月から翌4月、政府案の閣議決定から予算成立まで

予算は、年末から春にかけて最終形になります。12月下旬に政府予算案が閣議決定され、補助金や交付金の内容と規模が固まります。令和8年度予算の政府案は2025年12月26日に閣議決定されました。

年明けの通常国会で審議が始まり、令和8年度予算は2026年2月20日に国会へ提出され、2026年4月7日に成立しました。成立後は新年度の予算執行が始まり、補助金の公募が本格化します。政府案の段階で確度の高い案件を見極め、成立前後の公募開始に備えると、着手の遅れを防げます。

時期の目安主な手続き令和8年度予算の実際の日程
6月ごろ骨太の方針を閣議決定―
7月末ごろ概算要求基準を閣議了解2025年8月8日
8月末〜9月上旬各省庁が概算要求を提出・総額を公表2025年9月3日(総額122兆4,454億円)
9〜12月財務省の査定・折衝2025年秋〜冬
12月下旬政府予算案を閣議決定2025年12月26日
1〜3月通常国会で予算を審議2026年2月20日 国会提出
年度初め予算が成立し執行・公募が始まる2026年4月7日 成立

予算編成の日程や公募条件は、年度・府省・自治体ごとに異なります。実際の手続きや最新の金額は、各府省・自治体が公表する最新の資料をご確認ください。

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令和8年度の実績から読む予算の規模と重点の見つけ方

要求額の規模と内訳を読むと、翌年度に動く分野の当たりをつけられます。確定している令和8年度の数字と、編成が進む令和9年度の動きを分けて整理します。

  • 令和8年度の概算要求・要望額は122兆4,454億円という規模だった
  • 令和9年度は編成中で、新設された投資枠から重点を読み取れる

令和8年度の概算要求は122兆4,454億円という規模だった

確定した直近の数字から規模感をつかめます。令和8年度予算では、各省庁の一般会計の概算要求・要望額の総額が122兆4,454億円でした。

要求の総額は、国全体で翌年度にどれだけの事業が動こうとしているかの目安になります。省庁別の内訳を見れば、デジタル・防災・子育てなど、力の入る分野が読み取れます。営業側は、総額の大きさよりも、自社の商材に関わる分野の要求が増えているかどうかに注目すると、提案の優先順位をつけやすくなります。

令和9年度は編成中、投資枠の新設から重点を読む

最新年度の方向性は、要求の枠組みから見えてきます。令和9年度予算は編成の途中にあり、概算要求の基本的な方針は2026年7月30日に閣議了解されました。方針では、要求上限とは別に成長投資へ配分する「強く豊かな日本」投資枠が新設されました。

投資枠のような別枠は、政府が特に伸ばしたい分野を示します。総額や省庁別の最終的な金額は、年末の政府案で固まります。確定前の段階では、投資枠の対象分野を手がかりに、自社の商材が関わりそうな領域を早めに見立てておきます。

予算が年度内に決まらないとき、補助金の公募はどう動くか

予算の成立が遅れると、補助金の公募時期も動きます。年度をまたぐときの仕組みを知っておくと、公募の読みを外しにくくなります。

  • 暫定予算のあいだは、新規の裁量的な経費が動きにくい
  • 補正予算は、公募の時期を前にも後ろにも動かす

暫定予算のあいだは新規の裁量経費が動きにくい

本予算の成立が年度初めに間に合わないときは、暫定予算でつなぎます。暫定予算は当面の必要経費を手当てするもので、人件費や継続事業が中心になります。新規事業や裁量的な経費は計上されにくいため、新しい補助金の公募は本予算の成立を待つ形になりがちです。

本予算が成立すると、暫定予算は本予算へ組み替えられます。営業側は、年度初めに動きが鈍く見えても、本予算の成立後に公募が一気に動き出す前提で準備を進めると、立ち上がりの機会を逃しにくくなります。

補正予算は公募の時期を前後させる

年度の途中で組まれる補正予算も、公募の動きに影響します。補正予算は、当初予算の成立後に追加で編成される予算です。災害対応や経済対策で新たな事業が加わると、当初の想定になかった補助金の公募が年度途中に始まる場合があります。

一方で、当初予算の事業が補正へ回ると、公募が後ろにずれる場合もあります。補正の動きは国会の日程に左右されるため、営業側は当初予算だけでなく、補正の審議時期も情報源として追っておくと、年度途中の案件を取りこぼしにくくなります。

予算編成スケジュールを自治体営業にどう活かすか

予算の流れは、時期ごとに営業の狙いを変える手がかりになります。節目に合わせた動き方を整理します。

  • 5〜9月:重点テーマをつかみ、情報提供で接点をつくる
  • 12〜3月:確度の高い案件を見極め、公募前に備える

5〜9月、重点テーマをつかみ情報提供で接点をつくる

前半は、情報収集と接点づくりの時期です。春から夏にかけて各省庁が施策を検討し、民間や自治体の提案が施策のもとになる場合があります。骨太の方針と概算要求で重点分野が見えてくるため、自社の商材が関わるテーマを早めにつかみます。

要求が出そろう9月までに、担当部署へ役立つ情報を届けておくと、翌年度の案件化に向けた接点を増やせます。売り込みよりも、課題解決につながる情報提供を重ねるほうが、予算が動く前の段階では関係づくりに向きます。前半の動きが、後半の提案の土台になります。

12〜3月、確度の高い案件を見極め公募前に備える

後半は、案件の見極めと提案の時期です。12月の政府案で予算の内容が固まるため、確度の高い分野を特定できます。年明けの国会審議を経て予算が成立すると、補助金や事業の公募が本格化します。公募が始まってからでは準備が間に合わないため、成立前の段階で提案内容や体制を整えておきます。

自治体の予算も同じ時期に固まるため、国と自治体の両方の動きを合わせて見ると、提案のタイミングを合わせやすくなります。前半でつくった接点を、後半で具体的な提案へ進めると、受注までの流れがつながります。

当社の営業支援では、保育・教育分野のDXを手がける企業の自治体営業で、営業リソースが不足する時期にアウトバウンドの架電から一次商談までを担い、アポイント獲得率が社員平均の約3倍になった事例があります。

よくある質問

Q1. 中央省庁の予算編成スケジュールはどのような流れですか?

国の予算は、毎年ほぼ同じ7つの段階で進みます。6月の骨太の方針、7月末の概算要求基準、8〜9月の概算要求、12月下旬の政府案閣議決定、年明けの国会審議を経て、年度初めに成立します。令和8年度予算は2026年4月7日に成立しました。

Q2. 概算要求はいつ行われますか?

概算要求は、原則8月末が提出期限で、総額は9月上旬に公表されます。令和8年度予算では、2025年9月3日に一般会計の概算要求・要望額の総額122兆4,454億円が公表されました。選挙の日程などで、提出が数日から数週間ずれる年もあります。

Q3. 概算要求基準とは何ですか?

概算要求基準は、各省庁が要求できる金額の上限やルールを定める方針です。令和9年度予算の基本的な方針は2026年7月30日に閣議了解され、要求上限のない「強く豊かな日本」投資枠が新設されました。要求全体の読み解きは、基準の確認から始まります。

Q4. 令和9年度の予算編成は今どの段階ですか?

令和9年度予算は、編成の途中にあります。概算要求の基本的な方針が2026年7月30日に閣議了解され、各省庁の要求は夏に出そろいました。総額や省庁別の金額は、年末の政府予算案の閣議決定で固まります。確定前は、投資枠の対象分野が重点を読む手がかりになります。

Q5. 国の予算はいつ成立しますか?

本予算は、通常、年度初めの4月前後に成立します。令和8年度予算は2026年4月7日に成立しました。年度開始に間に合わない場合は暫定予算を組み、令和8年度でも4月の一定期間分の暫定予算が先行して成立しました。

Q6. 予算が年度内に成立しないと補助金はどうなりますか?

本予算の成立が遅れると、新しい補助金の公募開始も後ろにずれます。暫定予算では新規の裁量的な経費が計上されにくいため、当面は継続事業が中心になります。公募時期の読みには、政府案の12月と成立の4月前後という2つの時点をおさえます。

Q7. 国の予算編成は自治体の営業にどう関係しますか?

国の交付金や補助金は、自治体の事業予算の原資になります。国の予算の方向性が、半年から1年先の自治体案件を左右します。概算要求が出そろう9月までに重点テーマを把握すれば、自治体の予算要求期に合わせた提案を準備できます。

Q8. 予算編成スケジュールを営業活動にどう活かせますか?

時期ごとに狙いを変えるのが基本です。5〜7月は施策のもとになる情報提供、8〜9月は概算要求で重点分野の把握、12〜1月は政府案で確度の高い案件の特定、2〜3月は公募前の準備と、年に4回の節目で動きます。

まとめ:国の予算の流れを先読みして動く

国の予算は、骨太の方針から翌年4月の成立まで、約10か月をかけて年に4回の節目で動きます。令和8年度予算は2026年4月7日に成立し、概算要求の総額は122兆4,454億円でした。流れを先読みすれば、自治体営業の提案時期を前もって準備できます。

前半で重点テーマをつかんで接点をつくり、後半で確度の高い案件に備える動き方が、受注までの道筋になります。

当社の支援では、ソフトウェアの事業承継プラットフォームを運営する企業の新規自治体参入で、依頼から2週間でKPIを達成し、商談数が導入前の3倍になりました。

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